「い形容詞」より「な形容詞」を先に教える理由
文法構造シラバスの教科書などで「名詞→い形容詞→な形容詞」の順で教える場合が散見されますが、ゼロスタート学習者の立場に立って考えてみると、「い形容詞」よりも「な形容詞」を先に学習したほうが圧倒的に負担が軽いはずです。「い形容詞」の否定形は「◯◯くない」であるのに対し、「な形容詞」は「◯◯じゃない」となります。これは、既習の名詞と同形であるため、復習も兼ねつつ新しい文法へとスムーズに進めることができるからです。
「名詞」と「な形容詞」の違い
- 名詞を修飾する場合、名詞は◯◯のN、な形容詞は◯◯なNになる。
- 「とても学生だ」とは言えないのに対し、「とても有名だ」は使える。
スライド導入
名詞を修飾する形

名詞を修飾する練習をします。 例)有名な人 元気な犬
「同じなN?」「普通なN?」
- 同じな:「同じN」ではなく、「同じN」になる。
- 例)同じ服(○)同じな服(×)
- 普通な:「普通なN」より「普通のN」の方が多く使用されている。
- 例)普通の人(○)普通な人(△)
ナA+ナA+N

「プラス+プラス」「マイナス+マイナス」のルール
プラス評価の「な形容詞」の後にはマイナス評価のことばはつなげられない。
- ×ここは安全でうるさいところです。:プラス評価+マイナス評価
- ○ここは危険でうるさいところです。:マイナス評価+マイナス評価
- ○ここは安全ですが、うるさいところです。:「が」を使う
ナAになる(変化)

変化を表す「ナAになる」の練習です。「有名になる、元気になる」などが言えるようになります。
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